中古住宅・リノベーションで注意すべき構造計算と建築士の誤解

2026年02月04日 21:08
カテゴリ: 最新情報コラム

建築士なら構造計算ができる?え?出来ない?




実は「できる建築士」が圧倒的に不足している現実


「建築士が設計しているなら、構造も安心」

そう思って家づくりやリノベーションを進める方は少なくありません。



しかし結論から言うと、

建築士=構造計算ができる、というわけではありません。



そして現在、

実務として構造計算ができる建築士は、深刻な人手不足に陥っています。



この事実を知らずに計画を進めると、

後から設計変更や追加工事が発生するケースも珍しくありません。



この記事では、

  ・建築士と構造計算の本当の関係

  ・なぜ構造計算ができる建築士が少ないのか

  ・施主が事前に知っておくべきポイント


を、専門知識がない方にも分かるように解説します。




建築士=構造計算ができる、は誤解です




まず押さえておいていただきたいのは、

建築士の資格と構造計算の実務能力は別物だという点です。



建築士の仕事は、

  ・間取りやデザインの設計

  ・建築基準法などの法規確認

  ・図面作成や申請業務



など多岐にわたります。



一方で構造計算とは、


  ・地震に対して安全か

  ・壁や柱の位置は適切か

  ・将来の改修に耐えられるか


を、数値と理屈で検証する専門業務です。



資格を持っていても、

構造計算を日常的に行っていない建築士は多く存在します。




構造計算とは何をしているのか(わかりやすく解説)




構造計算と聞くと、

「難しそう」「専門家しか分からない」

という印象を持たれがちですが、本質はシンプルです。



  ・この家は地震で倒れないか

  ・壁を抜いても大丈夫か

  ・なぜこの位置に柱が必要なのか


こうした疑問に、

感覚ではなく根拠で答える作業が構造計算です。



見た目がどれだけ良くても、

構造が成立していなければ安全な建物とは言えません。




なぜ構造計算ができる建築士が不足しているのか




現在、構造計算ができる建築士が少ない理由は、主に3つあります。



1.設計と構造の分業が進みすぎた


近年は、

   ・意匠設計(デザイン担当)

   ・構造設計(計算担当)


が完全に分かれているケースが増えています。



その結果、

構造を理解しないまま間取りが先行する設計が増えました。




2.構造計算は責任が重く、負担が大きい


構造計算は、

   ・計算量が多い

   ・ミスが許されない

   ・地震時の責任が残る


にもかかわらず、

費用面では評価されにくい業務です。



そのため、

構造計算を専門に続ける建築士が減少しています。



3.法改正が多く、知識の更新が必須


建築基準法や関連告示は、定期的に改正されます。


構造計算を扱うには、

   ・最新法令の理解

   ・審査機関ごとの運用差への対応



が不可欠で、

片手間では対応できません。





建築士が関わっていても構造トラブルが起きる理由




現場でよくある流れは次の通りです。


   ・建築士が間取りを作成

   ・確認申請は問題なく通る

   ・工事直前・工事中に

   「この壁は抜けない」

   「補強が必要」と判明



追加工事・費用増加

これは珍しい話ではありません。



原因は、

計画初期に構造を十分検討していなかったことにあります。




構造計算は「安全」だけでなく「コスト」にも関係します




構造計算は、安全のためだけのものではありません。


きちんと構造を考えた設計は、

   ・無駄な壁や補強を減らせる

   ・余計な工事費を抑えられる

   ・将来のリフォームがしやすい


結果として、

トータルコストを下げることにもつながります。




施主が確認すべきポイントは「説明できるかどうか」




建築士選びで重要なのは、

資格の種類ではありません。


以下を、分かる言葉で説明してもらえるかが判断基準です。

   ・なぜこの壁が必要なのか

   ・なぜこの柱は動かせないのか

   ・将来どこまで変更できるのか



説明できない=理解が浅い可能性が高い

これは覚えておいてください。





建築・リノベーション計画で失敗しないために




最後にまとめます。


   ・建築士でも構造計算が得意とは限らない

   ・構造計算ができる建築士は現在不足している

   ・構造は後回しにすると必ず問題が出る

   ・初期段階で構造をどう考えるかが成否を分ける


これは不安を煽る話ではありません。



知っているだけで、避けられる失敗がある。

それをお伝えしたかっただけです。



家づくり・中古住宅購入・リノベーションを検討されている方は、

ぜひ「構造をどう考えているか」にも目を向けてみてください。





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