賃貸併用住宅とは?初心者でも失敗しない市場調査と計画の立て方を“わかりやすく”解説します

2025年12月01日 14:56



「賃貸併用住宅を建てたいけれど、入居者が集まらなかったらどうしよう」

「新築したあとのローン返済が不安で…」

「そもそも、この地域で賃貸ニーズはあるのだろうか?」



初めて賃貸併用住宅を考える方の多くが、こうした不安を抱えます。

しかし結論から言えば、不安の多くは“建てる前の調査”でほとんど解消できます。



たとえば、周辺の似たような物件がどれくらいの家賃で貸され、実際に入居が決まっているのか。

家賃帯はどれくらいが適切なのか。

地域で求められているのは単身者向けなのか、ファミリー向けなのか。



こうした“現実の数字”をつかむだけで、賃貸併用住宅の成功確率は一気に上がります。



この記事では、

  ・賃貸併用住宅の基礎

  ・市場調査のやり方

  ・都会・地方での違い

  ・家賃設定の考え方

  ・成功のポイント


を、専門用語をなるべく避けながら、やさしく丁寧に解説していきます。


初めてでも、無理なく読むことができる内容にしています。

どうぞ最後までお付き合いください。




【賃貸併用住宅とは?】




賃貸併用住宅とは、ひとつの建物の中に

「自分たちが住む部分」と「入居者に貸す部分(賃貸部分)」

の両方がある住宅のことです。



たとえば、

  ・1階は自宅、2階は賃貸

  ・左側が自宅、右側が賃貸

  ・上の3フロアが賃貸・最上階が自宅


といった、さまざまな形があります。



最大のメリットは、

住宅ローンの返済を“家賃収入で補える”こと。


毎月の返済が大きく減るため、

近年は若い夫婦だけでなく、セカンドライフを考える50〜60代からも注目されています。


ただし、見切り発車で建ててしまうと、

「思ったほど入居者が集まらない」

「家賃を下げないと決まらない」

といった問題が発生しやすくなります。



だからこそ、建てる前の市場調査が何より大切なのです。




【賃貸併用住宅で市場調査が必須な理由】




賃貸併用住宅の成功は、

「地域が求めている賃貸」

を理解できるかどうかで決まります。



同じ日本でも、

  ・東京都心

  ・郊外

  ・地方都市

  ・田舎


では、まったくニーズが違います。



● 都市部

   → 単身者・DINKSが中心

   → 家賃は高め、設備はハイスペックが好まれる

   → 駅近物件は強い



● 地方

   → ファミリー層が中心

   → 広い間取り、駐車場2台以上が必須

   → 家賃は比較的低め



こうした地域特性を知らずに建てると、

「せっかく賃貸部分を作ったのに、入らない…」

という事態になりがちです。



市場調査の目的は、

“地域の入居者が本当に求めている賃貸の姿”を見極めること。



これにより、

   ・間取り

   ・広さ

   ・設備

   ・家賃設定

がブレなくなり、安定した賃貸経営が可能になります。




【市場調査の進め方:3つのステップ】




■ステップ1:家賃相場をつかむ


まずはSUUMO・HOME’Sなどの不動産サイトを使い、

「自分の計画している間取りと似た物件」

をいくつか見比べます。


● 1Kなら1K、2LDKなら2LDK

● 駅距離や築年数もできるだけ近い条件に合わせる

● “募集家賃”をメモして平均を出す



これだけで地域の“表向きの家賃相場”が見えてきます。


ただし、募集家賃はあくまで“希望価格”。

ここからさらに深掘りが必要です。



■ステップ2:賃貸管理会社で「成約家賃」を聞く


・プロに聞くのがいちばん早いです。

・実際に決まっている家賃

・空室期間の長い物件の特徴

・人気の間取り・設備

・最近の入居傾向



こうした“生の情報”はネットでは得られません。


たとえば管理会社に

「この地域で1LDKの成約はどれくらいですか?」

と聞くだけでも、かなり具体的な相場が分かります。



「賃貸事例比較法」という専門的な査定方法がありますが、

一般の方はこの部分を管理会社に任せればOKです。



■ステップ3:エリア全体の将来性を見る


最後に、少し視野を広げて周辺環境を確認します。

・人口は増えているのか減っているのか

・新しい商業施設はできているか

・駅の利用者は多いか

・公共交通や道路は便利か


これらは数年後の入居率にも直結します。


賃貸併用住宅は長く住む家でもあるため、

「このエリアは何年後も住みたいと思えるか」

という視点もとても大切です。




【都会で建てる賃貸併用住宅のポイント】





■土地が高い →「上に伸ばす」が基本


都市部では土地の価格が高いため、

三階建てや四階建てで戸数を確保するケースが多いです。


構造は

・鉄骨造

・RC造(鉄筋コンクリート)
 が主流です。



理由は、

・防火性が高い

・遮音性が安定している

・高層でも建てやすい



という都市部向けのメリットがあるためです。



■ターゲットは単身者・DINKS


間取りは

・1K

・1DK

・1LDK

・2LDK(カップル向け)

などのコンパクトタイプが主役です。




● とくに人気の設備

・インターネット無料

・オートロック

・宅配ボックス

・防犯カメラ

・二重サッシ


など。



「安全性・便利さ・清潔さ」が重要視される傾向があります。




【地方で建てる賃貸併用住宅のポイント】





■広い敷地を活かす


地方では土地に余裕があるため、

二階建ての木造住宅が一般的です。



木造は


・建築費が抑えられる

・カスタマイズしやすい

 というメリットがあり、初期投資を抑えたい方に向いています。



■ターゲットはファミリー層



ニーズが最も強いのは


・2LDK

・3LDK


といった広い間取り。


さらに

・駐車場2台以上

・収納の多さ

・ペット可


なども入居の決め手になります。




テラスハウス型や縦割りのメゾネット構造が人気で、

「戸建て感覚で住める賃貸」は地方ではとても強い武器になります。




【家賃設定の考え方】




家賃設定は、

“高すぎず・安すぎず・地域相場に合っているか”

が最重要です。



・高すぎれば入居が決まらない

・安すぎれば収益が残らない



だからこそ、市場調査で「根拠ある家賃」を見つけることが必要です。

“なんとなく”で決めると失敗します。

根拠を持つことで、

  ・ローン返済計画

  ・将来の修繕費の見積もり


も安定し、無理のない賃貸経営が可能になります。




【まとめ】





賃貸併用住宅は、住宅ローンを軽減しつつ、自宅と資産形成を両立できる大きなメリットがあります。

しかし、成功の鍵はただひとつ。



「地域が求めている賃貸のかたち」を把握し、

“現実に合った計画”を立てること。



そのために市場調査が必要であり、

  ・家賃相場

  ・成約家賃

  ・エリアの将来性


の3つを押さえるだけで、計画の質は大きく変わります。



都会と地方では建て方も間取りも変わるため、

自分のエリアに合った考え方で進めることが大切です。



無理のない家賃設定と、地域に合った建物づくりで、

賃貸併用住宅は“生活と経済の両方を支える家”になります。









「もっと具体的に相談したい」「中古住宅やリフォームで迷っている」という方は、ぜひ下記リンクから住宅相談を

ご利用ください。

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