旅館業許可の図面は「提出すれば終わり」ではありません。
実際の審査では、担当課(保健所・衛生・生活安全部門各課)より、
後日追加要求 を受けるケースが年々増えています。
特に増えているのはこの2点です。
窓の寸法の明示
排水管ルート(流れの行先)の明示
この2つは「最初から図面に入っているもの」と思われがちですが、
旅館業の審査は「生活行為を前提とした衛生性」が問われるため、
自治体担当者は “実際に換気が確保できるか”
“衛生的な排水経路が確保できているか”
ここをピンポイントで確認します。
つまり
やられやすいポイントが決まっている のです。
戸建て型簡易宿所(Airbnb型)の普及で、
旅館業審査の現場は
「宿トラブルの後始末」を経験した自治体が多くなりました。
その中で、
・換気が足りない
・排水が溢れる/臭気が出る
というクレームが一定数発生しています。
行政側は同じ轍を踏まないため、
「窓寸法」と「排水ルート」を
最初から明示しておきたい
という方向に舵を切っています。
これは、ここ数年で顕著に見える傾向です。
私は見積書やメール回答の中で、明確にこう書きます。
窓寸法の明示や排水管ルートについて行政担当側より追加提出を求められた場合は、別途追加対象とさせていただきま
す。(必要な場合のみ、追加費用はご相談の上にて確定いたします)
ここです。
この一文を入れておくと
後で揉めません。
逆にここを曖昧にしたまま着手すると、
・追加資料の要求
・現況写真の読み取り
・既存管の調査
が雪だるま式に負担化します。
旅館業図面は
“提出する図面を作れば終わり”
ではなく、
「後から追加要求される前提で線引きする時代」になっています。
私の立場から言うのであれば、
窓寸法と排水ルートは
先に分離(別扱い)する この管理方法が、
最も安全で、最も現実的です。
次回は
「200㎡の分岐で、図面セットが変わる理由」
について公式コラムとして解説します。