家づくりを考えているとき、多くの方が一度は「二級建築士でも家を建てられるの?」と疑問に思います。
特にハウスメーカーにするか、工務店にするかで迷っている施主ほど、「工務店=二級建築士」というイメージが気にな
るものです。
2025年の法改正により、二級建築士の業務範囲は拡大されました。
しかし「500㎡まで」「木造3階建てまで」と言われても、施主にとっては数字だけではピンとこないでしょう。
実際に家を建てたい人が知りたいのは、「自分の考えている家が二級で設計できるのか?」 ということです。
この記事では、現場経験を踏まえて「二級建築士が設計できる範囲」を分かりやすく解説します。
さらに、45坪のデザイナーズ住宅を希望した施主の事例を紹介しつつ、「工務店+外部設計サポート」で不安を解消する
方法をご案内します。
数字での上限
延べ面積 500㎡(約150坪)まで
木造3階建てまで
鉄骨造・RC造の中小規模建築も一部対応可能
実際の住宅規模で言えば
延べ30〜50坪の戸建て住宅 → すべて二級で対応可能
二世帯住宅(50〜70坪) → 二級で十分設計可能
店舗併用住宅(1階店舗+2階住居など) → 二級で対応できる範囲が広い
👉 要するに「普通のご家庭が建てたいと考える家」は、ほぼすべて二級建築士で設計できるのです。
私が実際に相談を受けた施主の例をご紹介します。
「延床45坪の家を建てたい。吹き抜けのあるリビングや、大きな窓のある外観をデザイナーズ住宅のようにしたい。でも
融資の関係で予算は限られている。ハウスメーカーに見積りを出したら、数百万円オーバー。地元工務店なら安くできる
のでは?」
──こういうご相談は少なくありません。
この規模(45坪・木造2階建て・デザイナーズ風)は二級建築士の範囲で問題なく設計できます。
つまり「二級だから設計できない」という心配は不要です。
ただし施主が本当に気にしていたのは「自分の理想を形にしてもらえるのか」「デザインとコストは両立できるのか」と
いう点でした。
工務店の施工力は信頼していても、提案力に対して不安を抱く施主が多いのです。
工務店には大工としての経験があり、建てる力に関しては本物です。
施工実績に裏打ちされた安心感は、決してハウスメーカーに劣りません。
さらに知っておいていただきたいのは、ハウスメーカーの家づくりも、実際の施工は地域の工務店や大工さんが“協力店”と
して担っているケースが多いという事実です。
これは全国的に一般的な仕組みであり、特別なことではありません。
つまり「ハウスメーカーだから自社で全て施工している」というわけではなく、工務店の技術力に支えられている部分が
大きいのです。
違いは、営業・標準化・管理体制が整っているため、施主が「安心そう」と感じやすい点にあります。
したがって、工務店に直接依頼しても施工品質が劣ることはありません。
むしろ「施工力は工務店で安心、提案力は外部で補強」という形にすれば、コストを抑えつつデザインも納得できる家づ
くりが可能になります。
・家の規模が30〜50坪の戸建て
・間取りのイメージがある程度固まっている
・融資の関係でコストを抑えたい
・地域の工務店に施工を任せたい
この条件に当てはまる施主であれば、「二級で十分」という答えになります。
ただし「デザイナーズ住宅」や「特別な要望」を持つ施主は、外部の安心材料があると心強いでしょう。
ここで活きるのが、外部の建築士による設計サポートです。
・工務店:施工の力は本物、コスト面で有利
・外部設計者:デザイン・提案力を補強
この二つを組み合わせることで、施主は「安く建てられる安心」と「デザインの納得感」を同時に得られます。
先ほどの45坪デザイナーズ住宅を希望した施主も、外部で図面やパースを作り、それを工務店に渡して進めました。
結果、予算内で理想の空間を実現し、施工もスムーズに進行しました。
もちろん、一級建築士が必要になる場面もあります。
・延べ面積500㎡超の大規模住宅
・病院・学校・商業施設などの特殊建築物
・都市部で資産性を重視した高難度設計
ただし、多くの戸建て住宅においては一級が必須ではありません。
二級建築士+外部設計サポートで十分安心して家を建てられるケースがほとんどです。
・二級建築士で設計できる住宅は大半
・工務店の施工力は確かで安心
・デザインや提案に不安を抱く施主も多い
・外部設計サポートを組み合わせれば安心とコストを両立できる
・45坪デザイナーズ住宅のような“理想と現実を両立したい施主”に最適
結論:二級建築士でも家は建てられる。不安は外部サポートで補える。
賢い施主は「工務店+外部設計サポート」で、費用を抑えつつ理想の家づくりを実現しています。