設計に携わる者として、現場を納める職人として、そして一級建築士として。
私はずっと住宅の現場に身を置いてきました。
その中で確信していることがあります。
家づくりの失敗は、図面の精度や施工の質ではなく、“伝え方の甘さ”から起きる。
技術や経験に裏打ちされた施工をしても、「聞いてない」「そんなつもりじゃなかった」と言われてしまえば、それは“評価されない仕事”です。
今回は、説明不足の原因を深掘りし、現場側が取るべき具体的な解決策を提示します。
【問題】
確かに現場は多忙です。工程調整・段取り・監督業務と、1日が目まぐるしく過ぎるのは事実です。
ただ、それを理由に施主への説明を後回しにするなら、それは**「段取りの優先順位」が間違っている**と言わざるを得ません。
【解決策】
説明の時間は工程に組み込んでおく。それが「現場を回す力」そのものです。
段取りに“伝える工程”を含めることで、結果的に手戻りも減り、現場の雰囲気も整います。
説明の軽視は、最終的に現場全体の質を下げます。
【問題】
建築の言葉は、図面を読み慣れた人間にとっては日常でも、施主にとっては「ほぼ外国語」です。
用語だけで進めれば、施主は表面上うなずいても、実際は理解できていないという状態になります。
【解決策】
専門用語は使ってもよい。ただし、“翻訳付き”で伝えることが絶対条件です。
たとえば「壁芯から910mm」という場合、間取り感覚や生活動線と結びつけて説明する。
イラスト、写真、模型、パース…使える手段はすべて使い、理解を置き去りにしない努力をする。
それがプロの責任です。
【問題】
「説明しました」「同意をいただきました」だけでは、不十分です。
施主がその内容を“自分の言葉で説明できる”レベルでなければ、理解したとは言えません。
【解決策】
打ち合わせのゴールは“理解の可視化”。意思決定が本当に成立しているかを確認せよ。
私は毎回、重要な内容については「この仕様で進めますが、どういう内容か説明できますか?」と逆質問を入れます。
その答えが曖昧なら、もう一度説明し直します。
“伝えた”ではなく、“伝わった”をゴールにすること。これが信用につながります。
【問題】
説明を繰り返したつもりでも、施主の納得感が得られていないケースは多い。
多くの場合、それは言葉の選び方や伝える順序が適切でないことが原因です。
【解決策】
説明は、“理解のプロセス”に合わせて構成する。量ではなく、届け方を設計する。
図面→写真→パース→実例→サンプルという順で、「情報が腑に落ちる流れ」を作る。
また、言葉は抽象ではなく具体で話す。
たとえば「ナチュラルな仕上げです」ではなく、「無塗装のバーチ材を使い、光で少し黄味が出ます」と説明する。
このレベルまで掘り下げることで、“プロとしての違い”が伝わります。
【問題】
仕上がり後に「色味が違う」「雰囲気が想像と違った」という声は、どれだけ現場を丁寧に納めても発生することがあります。
これは材料や施工精度ではなく、“完成イメージの共有不足”によって起きるミスコミュニケーションです。
【解決策】
イメージのすり合わせは、“視覚情報”で行う。それが最も信頼を得る方法です。
私はパース・スケッチ・サンプル・過去の施工例をすべて用意し、「これからつくる家」が具体的にイメージできるようにしています。
“頭の中の想像”を一致させてから工事に入れば、トラブルは激減します。
現場力・施工精度・段取り力――どれも住宅施工において重要な技術です。
でも、それ以上に大切なのは、「それをどう伝えるか」というコミュニケーション力です。
説明は作業ではない。説明は、“信用を築くための行動”である。
クレームを減らしたい、信頼されたい、紹介を増やしたい――。
どれもその根底には、「伝わる説明」が必要不可欠です。
私たちはこれからも、「伝えきる力」を磨き続けます。
それが、選ばれる施工店であり続ける唯一の方法だと確信しているからです。
▷ 「現場と施主の“あいだ”に立てる存在」として
ここまで読んでくださった方なら、すでにお気づきかもしれません。
現場サイドにも、施主サイドにも、それぞれの事情があります。
ただ、その間に立って「翻訳」できる存在がいないと、すれ違いは必ず起きます。
私自身、大工として現場を知り、建築士として設計を知り、施主の悩みに寄り添ってきた立場だからこそ、
「双方の言い分」を理解し、正しく橋渡しすることができます。
「もっとちゃんと説明してくれる人に相談したかった」
「現場のリアルをわかったうえで、計画を一緒に考えたい」
そんな方こそ、ぜひ一度、私にご相談ください。
▶ オンライン相談・住宅診断・セカンドオピニオンも受付中です
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など、お悩みの段階に応じて、柔軟に対応いたします。
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