古民家再設計とは?地域再生プロジェクトの始まりを解説!

2025年03月23日 07:32
カテゴリ: 最新情報

地方移住が話題となる一方で、移住者と先住者との間に生じる摩擦が、地域コミュニティに新たな課題をもたらしています。
行政による移住支援や空き家活用の制度が整いつつある中でも、「受け入れる空気がない」「交流の場が少ない」といった理由から、実際の定着が進まない例も少なくありません。

そこで今、古民家を再設計し、移住者と地域住民が自然に交われる“共通の場”をつくるというプロジェクトが注目を集めています。

この連載では、1級建築士としての視点から、古民家の再設計による地域活性のあり方を全4回にわたり解説していきます。
序章となる本記事では、プロジェクトの意義と背景、そして「再生」と「再設計」の違いをお伝えします。

古民家再設計とは?再生との違いを明確にする


古民家再設計とは、単なる修復や保存にとどまらず、現代の暮らしや地域の課題に即した“再構築”を行う設計思想です。
これに対し、一般的な「古民家再生」は、元の構造や意匠をできるだけ残すことに重点を置いた改修が多くなっています。

再設計は、こうした保存の枠を超え、「古民家を地域のためにどのように使うか」という視点から、新たな空間機能や価値を加えていくアプローチです。

たとえば、古民家の一部を開放的なイートインスペースにしたり、地域の特産品を扱うアンテナショップとして整えたりすることで、“住む場所”ではなく“つながる場所”へと再構築することが可能になります。

移住者と地域住民の「交点」を建築でつくる意味


地方では移住促進が進められる一方で、「地元との壁が越えられない」「馴染めずにすぐ戻ってしまう」という声もよく聞かれます。
この背景には、単なる制度や物件の問題だけでなく、日常の中に“自然な交わりの場”が不足していることが大きく影響しています。

本プロジェクトでは、古民家を地域の歴史や空気を感じられる「拠点」として再設計し、

ワークスペースとして活用しながら、

イートインやイベントで人が自然に集まり、

特産品をきっかけに地域の産業や文化と触れ合える、
交流と共創の場を提供することを目的としています。

建築は、人と人をつなぐ「場」をつくる力を持っています。だからこそ、形式的な支援策だけではなく、物理的にも精神的にも「安心して混ざれる空間」が今こそ求められているのです。

地域資源としての古民家に再び光を


全国にある空き家の中には、築100年以上の貴重な古民家も数多く含まれています。しかしその多くが、活用されないまま風化しつつあります。

古民家は、単なる建物ではなく、地域の記憶を宿した「文化資源」です。
土壁、梁、木組みといった職人の技術はもちろん、その配置や構造が、その土地の気候や暮らし方を反映している点も見逃せません。

それらの資源を壊すのではなく、「いまの暮らし」と組み合わせることで、過去から未来へとつながる地域の拠点へと進化させることが可能です。

再設計によって、古民家はふたたび“生きた場所”となり、移住者と先住者の協働の場として息を吹き返します。


本プロジェクトの目的と今後の展開


のプロジェクトは、特定の個人や企業の利益を目的としたものではありません。
1級建築士として、また地域と建築をつなぐ立場として、「人が集まり、対話し、支え合える環境」を、建築の力で実現したいという思いから構想を始めました。

イートインスペース、ワークスペース、アンテナショップ機能を備えた古民家は、地域住民にとっての憩いの場であり、移住者にとっての出発点でもあります。
そしてこの場を中心に、地域資源の再発見や、地元産品のブランド化、住民どうしの新たな協力関係が生まれることを期待しています。

なお、プロジェクトに関するご相談やご提案は随時受け付けております。
詳細については、下記までご連絡ください。

本プロジェクトに関するご相談・ご提案・ご協力希望などがございましたら、下記までご連絡ください。

大工のおっちゃん工房*代表

※現在、構想段階のため、個別相談は原則として関係者・地域団体の方に限らせていただいております。

次回予告:最先端技術で古民家がよみがえる!再設計の具体的手法とは?


連載第2回では、古民家に快適さを加えるための最新の断熱・耐震・スマート設備の導入例や、
働きやすさ・集まりやすさを両立させる空間設計の考え方について、具体的にご紹介していきます。

移住者も地域住民も心地よく過ごせる場所とは、どのようにつくられるのか――
そのヒントを、建築の視点からお伝えします。

まとめ


古民家再設計は、過去の建物を未来に活かすための手段です。
特に地域とのつながりが問われるいま、移住者と地元住民の関係づくりを支える「共通の場」としての古民家活用は、大きな可能性を秘めています。

  ・単なる保存ではなく、再構築によって価値を高める

  ・建築の力で交流と理解を生む空間をつくる

  ・地域資源を活かし、文化と人の循環を生み出す

こうした取り組みが、地域の未来につながると私たちは信じています。

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