「せっかく家を建てたのに、こんなはずじゃなかった…」
これは、私が建築士として多くの施主さんから聞いた後悔の声です。家づくりは一生に一度の大きな買い物。しかし、実際に住んでみて「動線が悪い」「収納が足りない」「予算がオーバーした」といった問題に直面する方が後を絶ちません。
たとえば、契約時の見積もりでは予算内だったのに、途中でオプションが増えて大幅に予算オーバーしてしまったり、動線を考えずに間取りを決めた結果、毎日の家事がストレスになったりするケースがよくあります。
この記事では、一級建築士の目線で、実際に多くの方が陥った「家づくりの失敗例」と「その解決策」を詳しく解説します。これから家を建てる人が同じ失敗をしないために、ぜひ参考にしてください。
家づくりで「見積もり通りにいくことはほとんどない」と思ってください。
最初の見積もりには、最低限の設備しか入っていないことが多く、打ち合わせが進むにつれて「もう少しグレードを上げよう」となるのが普通です。
40代のご夫婦が注文住宅を計画し、契約時の見積もりは2,500万円でした。しかし、
・キッチンのグレードアップ +80万円
・造作家具追加 +50万円
・外構費用 +150万円
といった追加が発生し、最終的に3,100万円に。予定していたローンの金額を超えてしまい、急遽自己資金を増やすことになりました。
●「オプション込み」で最初の予算を設定する
→ 契約時の見積もりに+10~20%の追加を想定しておく
●建築士と相談して、メリハリをつける
→ キッチンや床材はこだわるが、壁紙やドアは標準仕様にするなど、優先順位を決める
●外構・家具・カーテン費用を別途確保する
→ これらの費用は見積もりに入らないことが多いため、事前に確認する
予算オーバーは「最初の計画」で防ぐことが大切です。
設計の段階では、図面を見ながら間取りを決めますが、実際の暮らしをイメージせずに決めてしまうと後悔します。
特に「動線」「日当たり」「収納不足」は失敗しやすいポイントです。
30代の共働き夫婦が注文住宅を建てた際、家事のしやすさを考えて「アイランドキッチン」を採用しました。しかし、
・冷蔵庫までの距離が遠く、調理中に何度も歩くことに
・来客時にキッチンが丸見えになり、生活感が隠せない
・子どもがリビングを走り回ると、キッチンにぶつかる危険がある
結果的に、「壁付けキッチンにしておけばよかった」と後悔することに。
●モデルハウスや完成見学会で「生活動線」を体感する
→ 家具の配置をイメージしながら歩いてみる
●建築士とシミュレーションを行う
→ 「朝起きてから出かけるまで」「帰宅後の家事」など、具体的な動きを想定して間取りを検討する
●収納スペースを十分に確保する
→ 使い勝手の良い収納の配置を考える(玄関収納・パントリー・ウォークインクローゼット)
間取りは、実際に「暮らしている姿」をイメージして決めましょう。
「完成してから気づいた施工ミス」は、修正するのに時間と費用がかかるため、できるだけ事前に防ぐことが大切です。
50代の夫婦が新築の引き渡し後、床が「斜めになっている」ことに気づきました。
原因は、基礎工事の際の施工ミス。修正には数週間かかり、その間は引っ越しできませんでした。
●工務店と「定期的な現場チェック」を約束する
→ 工事の進捗を施主自身が確認することで、ミスを早期に発見できる
●第三者の住宅検査を依頼する
→ 専門家にチェックしてもらうことで、見落としを防ぐ
●契約時に「瑕疵担保責任」を確認する
→ 施工ミスがあった場合の補償内容を把握しておく
家が完成するまで安心せず、積極的にチェックすることが大切です。
家の計画で陥りやすい問題と、その解決策を建築士の視点からお伝えしました。
・予算オーバーを防ぐには、最初から「追加費用」を見込む
・間取りの失敗を防ぐには、モデルハウスで動線を体験する
・施工ミスを防ぐには、現場を定期的にチェックする
これから家づくりを考えている方は、ぜひこのポイントを意識して、後悔のない家づくりをしてくださいね。