築年数が古い家に住んでいる方の中には、「耐震補強だけで本当に安心できるのか?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。地震対策として耐震補強は重要ですが、経年劣化による建物の歪みを放置したままでは、十分な耐震性能を発揮できない可能性があります。
たとえば、日本建築学会の調査によると、築30年以上の住宅の50~60%で床の傾きや壁のズレが発生しているとされています。また、旧耐震基準の住宅の約70%は耐震補強が必要とされており、これらの建物では歪みの発生も十分に考えられます。
この記事では、築年数の古い住宅における歪みのリスクと、耐震補強だけでは不十分な理由、耐震補強と歪み補正の同時施工の費用感、最適な工事のタイミング、自治体の補助金活用法について詳しく解説します。
耐震補強だけでは不十分なケースがある
耐震補強工事では、一般的に耐力壁の設置・補強、基礎の補強、金物補強などを行います。しかし、建物がすでに歪んでいる場合、補強工事だけでは十分な耐震効果が得られないことがあります。
たとえば、柱や壁が傾いたまま耐震補強を行っても、地震の揺れが適切に分散されず、建物全体に負荷がかかる可能性があります。また、ドアや窓の開閉がしにくくなる、床の傾斜が悪化するなどの生活面での不具合が残ることもあります。
歪みが発生しやすい築年数とその原因
・築20~30年:構造材の乾燥収縮や湿気の影響により、わずかなズレが発生
・築30年以上:地盤の不同沈下、柱や梁の劣化により、大きな歪みが発生するケースが増加
・築40年以上:旧耐震基準の建物が多く、歪みによる耐震性能の低下が顕著
特に、1981年以前に建てられた旧耐震基準の住宅は、約90%が耐震性に問題があるとされており、歪みの影響も大きいと考えられます。
耐震性の低下
家の歪みを放置すると、地震の揺れに対する耐性が低下します。柱や壁が正しく力を分散できなくなるため、建物全体の強度が不均衡になり、大きな揺れで倒壊するリスクが高まります。
生活環境の悪化
・ドアや窓の開閉がスムーズにできない
・床が傾いて歩きにくくなる
・壁や天井にひび割れが発生する
特に、高齢者のいる家庭では、床の傾きによる転倒リスクも増すため、早めの対策が必要です。
修繕費用の増加
歪みを放置すると、建物のダメージが進行し、最終的には大規模な修繕が必要になることもあります。小規模な補正工事で済むうちに対応するほうが、費用負担を抑えられます。
同時施工のメリット
・耐震補強と歪み補正を別々に行うより、トータルコストが抑えられる
・補正後に適切な耐震補強を行うため、耐震性能が最大限発揮できる
・生活環境の改善(床の傾きやドアの開閉問題の解消)につながる
費用相場
工事内容 費用目安
耐震補強のみ 100万~300万円
歪み補正のみ 50万~200万円
耐震補強+歪み補正(同時施工) 150万~400万円
同時施工の場合、別々に工事をするより30~50万円程度のコスト削減が可能になるケースもあります。
以下の症状がある場合は早急に調査を!
・ドアや窓が閉まりにくい
・床が傾いている気がする
・壁や天井にひび割れがある
・地震の揺れが以前より大きく感じる
特に、築30年以上の住宅では、一度専門家に耐震診断と歪みのチェックを依頼することをおすすめします。
補助金の種類と適用条件
・耐震改修補助金(最大100~200万円)
・リフォーム助成金(地域によって異なる)
・住宅耐震診断の無料・補助制度
補助金を利用するポイント
・自治体の窓口やホームページで最新の情報を確認する
・耐震補強と歪み補正をセットで実施できる補助金を探す
・申請期限があるため、事前に専門業者と相談して計画を立てる
築年数の古い住宅では、耐震補強だけでは不十分な場合があり、歪みの補正が必要になることがあります。
・築30年以上の住宅の50~60%で歪みが発生している
・歪みを放置すると、耐震性の低下や生活環境の悪化につながる
・耐震補強と歪み補正を同時に行うことで、より効果的な耐震対策が可能
・補助金を活用すれば、費用を抑えながら安全な住まいを実現できる
築年数が古い住宅にお住まいの方は、一度専門家による診断を受け、最適な補強方法を検討することをおすすめします。