断熱性能等級を上げるには?床下施工の実例とポイントを解説!

2025年03月03日 19:12



「家の断熱性能を上げたいけれど、床下の施工って何をすればいいの?」「床下の断熱材はどんなものを選べばいい?」このような疑問をお持ちではありませんか?

近年、住宅の断熱性能向上が強く求められています。特に、床下の断熱は家全体の省エネ性能を左右する重要なポイントです。しかし、適切な施工方法を知らないと、十分な効果が得られないこともあります。

本記事では、断熱性能等級を上げるための床下施工の実例を詳しく解説します。具体的な施工手順やポイント、使用する断熱材の種類まで網羅しているので、家づくりやリフォームの参考にしてください。

それでは、さっそく床下の断熱施工について詳しくみていきましょう。



断熱性能等級とは?基準と重要性を解説

断熱性能等級とは、住宅の断熱性を評価する基準のことです。2022年4月に改正された住宅性能表示制度により、新たな
等級が設定され、現在は等級1~7までのランクがあります。


断熱性能等級の基準

等級4:平成11年基準(住宅の省エネ基準)相当
等級5:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準
等級6:HEAT20 G2レベル相当
等級7:HEAT20 G3レベル相当(最高基準)
特に等級6・7は、北海道や東北地方などの寒冷地でも快適に過ごせるレベルの断熱性能を誇ります。


なぜ床下断熱が重要なのか?

床下は冷気が入り込みやすく、適切な断熱が施されていないと室内の暖房効率が悪化し、冬場の冷え込みが厳しくなります。また、湿気の影響でカビや結露が発生することもあり、住宅の耐久性にも関わるため、しっかりと対策することが求められます。


床下断熱の施工方法と種類

床下の断熱施工には、主に以下の3つの方法があります。

・床断熱(根太間断熱)
・基礎断熱
・吹き付け断熱(ウレタンフォーム)


1. 床断熱(根太間断熱)
最も一般的な床下断熱の方法で、床の構造材(根太)の間に断熱材を敷き詰める工法です。

施工手順
・床下の清掃・点検
 まず、床下にゴミやホコリがないかを確認し、湿気がこもっていないか点検します。
・防湿シートの設置(必要に応じて)
 湿気が多い場合は、防湿シートを敷いて地面からの湿気を遮断します。
・断熱材の設置
 グラスウール、押出ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)などの断熱材を根太の間にぴったりと収めます。
・気密処理
 隙間を防ぐために気密テープを使用し、断熱材がズレないように固定します。
・仕上げ材の施工
 断熱材の上に合板やフローリング材を施工し、仕上げます。

メリットとデメリット
✅ メリット:施工コストが比較的安く、新築・リフォームどちらでも対応しやすい。
❌ デメリット:床下の湿気対策をしっかりしないとカビの原因になる。


2. 基礎断熱
床下空間全体を室内と同じように断熱する方法です。寒冷地ではこの方法がよく採用されます。

施工手順
・基礎の表面を清掃し、埃や汚れを除去
・断熱パネルの貼り付け(押出ポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォーム)
・気密処理(断熱材同士の隙間を発泡ウレタンなどで埋める)
・防湿処理を施す(床下の湿度管理のために、防湿シートを敷設する)
・換気計画を考慮する(換気口の設置または全館換気システムの導入)

メリットとデメリット
✅ メリット:床下全体が暖かくなり、冷気の影響を受けにくい。
❌ デメリット:施工コストが高く、湿気対策を怠るとシロアリのリスクがある。


3. 吹き付け断熱(ウレタンフォーム)
ウレタンフォームを床下に吹き付けることで、気密性の高い断熱層を形成する方法です。

施工手順
・床下の点検と清掃
・ウレタンフォームの吹き付け(床下全体にまんべんなく施工)
・硬化後の厚み確認(基準厚みを満たしているかチェック)
・仕上げ材の施工(必要に応じて)

メリットとデメリット
✅ メリット:隙間なく断熱できるため、気密性が高い。
❌ デメリット:施工費用が高めで、DIYが難しい。


床下断熱施工の実例紹介

実例①:築20年の戸建てリフォームで床断熱を強化
施工内容:床断熱(押出ポリスチレンフォーム50mmを使用)
結果:冬の床の冷たさが大幅に軽減し、暖房の効きが向上。

実例②:寒冷地で基礎断熱を採用した新築住宅
施工内容:基礎内側に硬質ウレタンフォーム100mmを吹き付け。床下の気温が安定し、冷暖房費が20%削減。



まとめ

本記事では、断熱性能等級を上げるための床下施工方法と実例について解説しました。

・床下の断熱には「床断熱」「基礎断熱」「吹き付け断熱」の3種類がある。
・施工方法によってコストや効果が異なるため、住まいの環境に合わせて選ぶことが重要。
・具体的な施工手順を理解し、適切な材料を選ぶことで、効果的な断熱が可能。

断熱性能等級の向上は、省エネ・快適性向上につながります。適切な床下施工を行い、より良い住環境を実現しましょう。







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