2025年に施行される構造計算義務化と省エネ基準適合義務化は、新築および既存の建築物に大きな影響を及ぼします。
構造計算義務化については、特に500㎡以下で300㎡超の建物に対し、構造計算が義務化されるため、建築士や設計者はこれに備えた対策が必要になります。
4号特例による建築物であっても、許容応力度計算が成立していない場合、2025年以降は既存不適格建築物となる恐れがあります。
また、構造図の保存義務も強調され、設計図書を適切に保管することが重要とされています。
省エネ基準適合義務化では、2025年4月より、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。
これまでの届出義務や説明義務が廃止され、全ての新築建物が省エネ基準に適合する必要があります。
建築確認手続きにおいても、省エネ基準への適合性審査が行われ、省エネ性能確保計画の提出や省エネ適合性判定が必要になります。
リフォームや模様替えについても、大規模修繕を伴う場合は、確認申請手続きが必要になり、省エネルギー性能や耐震性能の確保が求められます。
自治体によっては、申請業務に慣れていないため、申請から承認までに時間がかかる場合があるため、計画的に進める必要があります。
これらの改正は、建築物の安全性、省エネ性能の向上を目的としており、建築業界においては、新しい基準に適応するための準備が急務となっています。
建築士や設計者、建築業者は、これらの改正内容を正確に理解し、適切な対応策を講じることが求められます。